• 東京言語学コロキアム(TLC;Tokyo Linguistics Colloquium)は分野横断的アプローチによる言語研究の成果を発表し、共有するための場です。
  • 主な研究領域は、認知言語学、語用論、意味論、会話分析、コーパス言語学、言語教育(日本語教育・英語教育)です。
  • 対象言語は英語と日本語が中心ですが、その他の言語に関する発表も歓迎します。
  • facebookのアカウントをお持ちの方は,上のリンクをクリックして,グループに参加していただければ,研究会の情報などがリアルタイムで配信されます。



    • 次回の研究会(最新)



      第23回研究会


      • 日時:2015年8月9日 13:30~18:00
      • 場所:筑波大学東京キャンパス 437ゼミ室
      • 第一発表者:渡辺裕美(筑波大学大学院生) 13:30~15:30
        • タイトル:日本語学習者の発音に対する教師による評価の分析―日本人教師とロシア人教師の視点―
        • キーワード:日本人教師、非母語話者教師、発音評価、音声教育、ロシア語母語話者
        • 概要:ロシア人日本語学習者の発音に対し、日本人教師とロシア人教師(各11名)に評価を求め、評価時のコメントをもとに、評価に影響を与える要因を検討する。本発表では、これまで分析してきた、日本人教師とロシア人教師の学習者の発音に対する評価値の相違をふまえたうえで、教師による発音評価の実態を解明することを試みる。
      • 第二発表者:金瑜眞(キムユジン)(筑波大学大学院生) 16:00~18:00
        #開始時間は前の発表によって前後することがあります。
        • タイトル: 韓国人日本語学習者の文節末境界音調における日本語母語話者の評価
        • キーワード: 音調の類型、発話機能、負の転移、正の転移
        • 要旨: 本発表では、韓国人日本語学習者の文節末に見られる昇降調や上昇調などの境界音調を取り上げる。こうした文節末境界音調は、これまで日本語母語話者に否定的な評価を受ける誤用として見なされ、尚、母語からの負の転移と指摘されてきた。しかし、音調の類型によっては、また、類型と発話機能の結びつきによっては、正の転移としても捉えられる可能性も存在する。本発表は、学習者の文節末境界音調におけるこうした従来の一律的なマイナス評価の問題点について考察する。





      過去の研究会(履歴)



      第22回研究会


      • 日時:2015年6月6日 12:30~18:00
      • 場所:筑波大学東京キャンパス2階演習室9
      • 第一発表者:松下達彦(東京大学) 12:30~15:00
        • タイトル:既知語彙量と読解量の関係 -日本語の場合-
        • 概要:(1)あるレベルの読解に到達するのに、どのぐらいの語数が必要かを推計し、(2)語数と一般的なテキストのカバー率の関係を推計し、さらに(3)あるレベルの読解に到達するのに必要なテキストカバー率を推計する。また、(4)上記(1)~(3)が教材作成などの応用にどう貢献するかを説明し、発表者の作成した語彙頻度プロファイラーJ-LEXの利用法を紹介する。
      • 第二発表者:李在鎬(筑波大学)15:30~18:00
        • タイトル:日本語教師は語の難しさをどのような視点から判断しているのか。
        • 概要:日本語教育語彙表における語彙難易度(初級前半~上級後半)の判定結果をもとに、難易度の判断にバイアスを与える要因を統計的な手法でお推定する。そして、科研グループで作成した日本語学習者辞書システムも紹介する。

      第21回研究会


      • 日時:2015年4月19日 13:30~18:00
      • 場所:筑波大学東京キャンパス4F - 436ゼミ室
      • 第一発表者:中川奈津子(学振PD/千葉大学)
        • タイトル:機能主義言語学と生成文法の理論的前提を議論する:日本語話しことばの語順を例に
        • キーワード:情報構造、語順、Preferred argument structure, left-periphery, 機能主義言語学と生成文法
        • 発表要旨:本発表では、まず機能主義言語学の立場から、日本語話しことばを例に、語順と情報構造の関わりを分析し、機能的な動機付けを提案する。その後、主に情報構造にかかわる生成文法の研究成果を概観し、機能主義言語学との想定の違い、それぞれの理論の枠組みの妥当性、目標設定の違いなどを議論したい。(オーディエンスからの活発な議論をよろしくお願い致します。)
      • 第二発表者:河正一(高崎経済大学非常勤講師)
        • タイトル:敬語の過剰使用における日韓対照研究
        • キーワード:視点と距離、ウチ/ソト、社会的力関係、上位者聴者制約、言語方略
        • 発表要旨:ここ十数年間、日韓両言語における敬語の過剰使用(以下、過剰敬語とする)に対する懸念の声が高まり、それを問いただそうとする研究や多くの敬語の解説書が目立つ。そこで、本発表では日韓両言語における過剰敬語とは何か、また過剰敬語が社会全般に広まる原因について、統語論的・語用論的・社会言語学的側面から分析を試みる。

      第20回研究会


      • 日時:2015年2月8日 13:30~18:00
      • 場所:筑波大学東京キャンパス1F - 121講義室
      • 第一発表者:遠藤智子(日本学術振興会特別研究員)
        • タイトル:家庭内相互行為における「〜てあげる」構文の使用について
        • キーワード:言語による社会化、ベネファクティブ、養育者・子ども間相互行為
        • 発表要旨:ビデオ撮影した家庭内のやりとりをデータとし、「〜てあげる」構文の使用を分析する。養育者と子どもでは「〜てあげる」構文を使って行う行為に非対称性があることや、この構文の使用には兄・姉が弟・妹に対して取るべき態度の規範が関わっていること等を論じる。2014年5月の英文学会と9月の認知言語学会で行った発表を簡単に紹介したうえで、研究の方法論上の問題等を議論する場にできればと考えている。
      • 第二発表者:許 挺傑(浦和大学非常勤講師)
        • タイトル:接触場面における日本語学習者の聞き返し連鎖と日本語教育ー実態調査と教科書における扱いー
        • キーワード:聞き返し連鎖、聴解問題、構造、進展型、無進展型
        • 発表要旨:本発表ではまずこれまで日本語教育の中で、学習者の聞き返し連鎖がどのように扱われてきたかを概観し、先行研究における問題点(定義や研究手法)を指摘する。次に本研究で収集した学習者データ(およそ5時間分の会話データ)に見られた学習者の聞き返し連鎖の使用を観察し、連鎖には聴解問題を少しずつ解決していく連鎖パターン(進展型)とそうでないパターン(無進展型)があることを指摘する。最後に教科書に見られた実例を紹介し、日本語教育における聞き返し連鎖の扱い方について提案する。

      第19回研究会


      • 日時:2014年12月21日(日)13:30~18:00
      • 場所:筑波大学東京キャンパス(4F)431会議室
      • 発表者:岩田一成(聖心女子大学)
        • タイトル:看護師国家試験対策を効率的に行うための基礎研究
        • キーワード: EPA,看護師国家試験,日本語能力試験,形態素解析,出現頻度
        • 発表要旨:EPAをはじめ、外国人看護師を養成する現場が増えている中、日本語能力試験2級レベルが看護師国家試験受験の目安となりつつある。しかし、文法や語彙を分析してみると、2級レベルは全く役に立たないことを示す。次に名詞語彙の指導順序を提案する。1233の必修問題用名詞語彙に519を追加すれば、一般・状況設定問題の約80%が理解でき、1624を追加すれば約90%が理解できるようになる。

      • 発表者:張莉(京師範大学・東京学芸大学)
        • タイトル:現代日本語における非情の受身についての考察
        • キーワード:非情の受身、動作主無表示の受身文、非情物主語ニ受身文とその周辺、非情物主語ニヨッテ受身文、構文的構造と意味機能、動詞述語
        • 発表要旨:本発表は、現代日本語における非情の受身の使用実態を明らかにすることを目的とするものである。用法基盤モデルの言語観に基づき、コーパスから取り上げた非情の受身の用例を考察することによって、非情の受身の構文の特徴、構文の拡張と構文観の関係を検討し、その体系的な記述と説明を試みる。

      第18回研究会


      • 日時:2014年10月19日(日)13:30~18:00
      • 場所:筑波大学東京キャンパス(2F)演習室8
      • 発表者:岩崎永一(早稲田大学)
        • タイトル:「個別言語」は存在するのかという問題と文の適格性に関する方法論再考
        • キーワード:個別言語, 母語話者, 文の適格性, 反証可能性, 生成文法プラトン学派, 認知言語学, 言語哲学
        • 発表要旨:第一に「個別言語」及び「X語の母語話者(の文の適格性判断)」に関する先行研究を概観・紹介する。第二にプラトン学派(cf. 西山1987, Katz & Postal 1991)や認知言語学(cf. Langacker 1987)の立場と比較しながら、急進的なチョムスキー学派「生物言語学」の母語獲得モデルの問題点を議論する。第三に「個別言語」や「母語話者」の概念は生物学的に定義可能かを議論する。総じて、言語学の方法論的問題を再吟味し、独自の対案を提案する。

      • 発表者:長谷部陽一郎(同志社大学)
        • タイトル:TEDコーパスを用いた文脈重視の言語分析の可能性
        • キーワード:コーパス、談話、文脈情報、英語プレゼンテーション
        • 発表要旨:本発表では、TED(http://www.ted.com)で公開されている約1,700の英語プレゼンテーションのトランスクリプトと動画を素材として作成したコーパス(述べ語数:約4,000,000語、異なり語数:約97,000語)とその検索システムを紹介する。また、語や構文の頻度や共起関係だけでなく、より豊かな文脈的情報に目を向けた言語分析の可能性について、実例と共に論じていく。

      第17回研究会


      • 日時:2014/8/10 13:30~17:30
      • 場所:筑波大学東京キャンパス 講義室9
      • 発表者: 宇野良子(東京農工大学・准教授)
        • タイトル:「言葉」をつくる実験から開かれる認知言語学の可能性
        • キーワード:実験記号論、認知文法、メンタルスペース、テンス、モダリティ、視点
        • 発表要旨:実験記号論と呼ばれる進化言語学の一分野がある。これは自然言語を使わない人間どうしのコミュニケーションから、新たな「言語らしきもの」が現れるのを観察する手法である。本発表では、発表者が共同研究者と行ってきた実験記号論の図形交換実験と、認知言語学のアプローチによる理由節や新動詞の分析とがどのような関係にあるのかを説明し、二つの分野がどのように今後相互に貢献できるのかを考える。

      • 発表者:高嶋由布子(東京学芸大/日本学術振興会SPD)
        • タイトル:視点と空間使用:日本手話と日本語の空間表現
        • キーワード:パースペクティブ,移動表現, 主観性,類像性,認知言語学
        • 発表要旨:手話は空間を媒体にするので空間表現が類像的であり,よりいろいろな情報を盛り込めると考えられる.しかし,誰の視点をとり,どこに注目して表現するのだろうか.日本語の表現と対比しながら日本手話の視点の身体性について認知言語学の観点から考察する.

      • 第16回研究会


        • 日時:2014/6/22 13:30~17:00
        • 場所:筑波大学東京キャンパス 434号
        • 発表者: 嵐洋子(杏林大学・外国語学部・准教授)
          • タイトル:日本語母語話者及び非母語話者の文内部における丁寧表現の運用の実態-「YNU書き言葉コーパス」を用いて-
          • キーワード:丁寧体 普通体 接続助詞 書き言葉コーパス 日本語教育
          • 発表要旨:本発表では,「YNU書き言葉コーパス」を用い,日本語母語話者及び非母語話者(中国語・韓国語母語話者)が,「が」「から」など接続助詞に続く文内部の用言において,丁寧体・普通体をどのように使用しているか,その運用の実態について調べた結果について報告する。

        • 発表者: 城野大輔(東京学芸大学院生)
          • タイトル: 準代名詞「の」と「の」による名詞化節 ―認知文法および場所の言語学の観点から―
          • キーワード: 参照点機能、場、準代名詞、主要部内在型関係節、補文、スキーマ
          • 発表要旨:準代名詞の「の」と「の」による名詞化節(主要部内在型関係節と補文を含む)のスキーマ的特徴はどのようなものなのか。両者に連続性を見出すことはできないだろうか。認知文法や場所の言語学の観点からスキーマを構築し、その妥当性を検討するためにコーパスを用いた客観的分析を行う。
        • チラシ:TLC第16回チラシ(PDF) 



        • 第15回研究会

          • 日時:2011/12/17 13:30~17:00
          • 場所:東京学芸大学
          • 司会:岡智之(東京学芸大学)
          • 発表者: 雷淼媚(東京工業大学博士課程)
            • タイトル:複合動詞「~ぬく」と「~とおす」の意味構造分析ー認知意味論の観点からー
            • キーワード:複合動詞 ~ぬく ~とおす 意味構造 認知意味論
            • 発表要旨:本研究では、多義的類似複合動詞である「~ぬく」と「~とおす」を取り上げ、認知意味論の観点から、スキーマネットワーク図による複合動詞「~ぬく」と「~とおす」の意味記述を行う。また、「産出テスト」と「使い分けテスト」により、日本人母語話者と中国人学習者が持っている意味構造の違いも調査する。

          • 発表者: 中村文紀(慶應義塾大学博士課程)
            • タイトル: 英語連結詞的知覚動詞構文の意味と補語分布との関係について一考察
            • キーワード: 感覚表現、知覚、知覚動詞、推論、Evidentiality
            • 発表要旨:英語連結詞的知覚動詞構文には、(i)属性叙述、(ii)直接知覚による推論叙述、(iii) 間接証拠による推論叙述という3つのサブカテゴリーが存在することがGisborne (2010)で指摘されている。今回の発表では、それらの補語分布がそれぞれ異なることを示し、知覚をどこまで内在的に含意するのかということがその分布の違いに関係していることを示す。


          第14回研究会

          • 日時:2011/10/15 13:30~17:00
          • 場所:埼玉大学 教育機構棟2階会議室2
          • 司会:大谷直輝(埼玉大学)
          • 発表者: 岩崎永一(早稲田大学産業経営研究所特別研究員・明治大学兼任講師)
            • タイトル(仮): 指定疑似分裂文と比較相関構文の意味論的分析
            • キーワード: 指定疑似分裂文、コピュラ文、日英語の比較相関構文
            • 発表要旨:前半を比較相関構文の先行研究(特にIwasaki 2011)の概観に当て、後半にタイトルにある意味論的分析を行う。指定疑似分裂文のうち、den Dikken, Meinunger & Wilder (2000)が‘Type A’と呼ぶ、TPをコピュラ動詞の補部に持つ構造がある。この観点から、日本語の「AはBである」という構文の意味を吟味する。さらに、この分析手法を日本語の比較相関構文の「ほど」節の意味分析にも敷衍する。
          • 発表者: 李在鎬(筑波大学人文社会学研究科准教授)
            • タイトル: 用法基盤モデルによる構文研究の可能性
            • キーワード: 認知言語学、用法基盤モデル、日本語の構文文法、コーパス分析
            • 発表要旨:本発表では、用法基盤モデルによる構文研究のケーススタディーとして、日本語の「XがYに動詞」構文を分析する。分析では、コーパスを活用し、名詞との共起に注目し、分析を行う。


          第13回研究会

          • 日時:2011/7/10 13:30~17:00
          • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y308号室(3階)
          • 発表者:浅尾仁彦(京都大学/ニューヨーク州立大学バッファロー校)
            • タイトル:接辞の左右非対称性と確率論的言語処理モデル
            • キーワード:形態論, 類型論, word segmentation, 合理的アプローチ, 言語変化
            • 要旨:類型論的に接頭辞は接尾辞に比べて少ないことが知られている。本発表では、この現象をプロセシングの観点から説明することを試みる。具体的には、言語理解についての合理的アプローチ(不確実な状況下で、人間は確率に基づいた合理的判断をするという仮説)をとることで、接頭辞が接尾辞よりも処理が難しいことが示せることを論じる。このモデルを実証するための予備的なシミュレーションモデルを提示する。


          第12回研究会

          • 日時:2011/4/23 13:30~17:00
          • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y308 
          • 司会:岡智之(東京学芸大学)
          • 発表者:濱野寛子(京都大学研修員)
            • タイトル:助数詞のカテゴリー化の機能に関する認知言語学的考察
            • キーワード:身体性、解釈、カテゴリー化、パースペクティヴ、百科事典的知識
            • 要旨:本発表では、助数詞「本」の多義的な使用において、身体的経験を基盤とした話者の主体的な解釈がどのようにはたらいているかという点を中心に考察し、従来のスキーマ的な「本」の意味拡張の動機付けをさらに精緻化することを目指す。


          第11回研究会

          • 日時:2011/2/19 13:30~17:00
          • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y308 
          • 司会:李在鎬(国際交流基金)
          • 発表者:
            • 第1発表者:徐 蓮(お茶の水女子大学[院])
              • タイトル:空間表現<上>の意味構造から見た日本語と中国語の事態把握
              • キーワード:上 意味構造 実験 日中対照 認知
              • 概要:心理学実験で日本語の「上」と中国語の“上”のカテゴリー構造、プロトタイプとイメージ・スキーマを探り、日中対照に基づいて、対応していない用法の背後にある日本語と中国語の空間を捉える認知的プロセスの相違を明らかにする。
            • 第2発表者:田島弥生(慶應義塾大学[院])
              • タイトル:日本語、韓国語、中国語の談話構造と認知の仕組みの関係を実験的に解明する研究
              • キーワード:ポライトネス理論、前置き表現、談話構造、認知、field dependence
              • 概要:日本語、韓国語、中国語の依頼談話に見られる「前置き表現」について、ポライトネス理論の観点から行った実験結果を報告し、その上で各言語特有の談話構造と認知の仕組みの関係について考察いたします。


          第10回研究会

          • 日時:2010/12/11 13:30~18:00
          • 場所:桜美林大学四谷キャンパス Y308号室
          • 第一発表者
            • 古牧久典(東京大学[院])
              • タイトル:トートロジの扱い再考
              • キーワード:トートロジ、構文、認知意味論、認知語用論、談話
              • 要旨:本発表は、トートロジ構文およびその関連現象を扱い、認知文法、認知意味論の視点と認知語用論(主に語彙語用論)の視点を織り交ぜ、そのメカニズム解明を目指す。それぞれの理論的な背景を紹介し、トートロジに関する先行研究を整理した上で、従来とは異なる観点からトートロジ構文に迫る。
          • 第二発表者
            • 徐 蓮(お茶の水女子大学[院])
              • タイトル:日本語の「上」と中国語の“上”の意味ネットワークの対照研究―心理学実験とコーパスに基づく実証的研究―
              • キーワード:日本語の「上」 中国語の“上” 意味ネットワーク 対照
              • 要旨:本稿では、日本語の「上」と中国語の“上”の意味ネットワークを認知意味論の視点から対照し、両言語の認知モデルの共通点と相違点を明らかにする。心理学実験とコーパスにおける調査に基づいて、日本語の「上」と中国語の“上”のカテゴリー構造、プロトタイプ、拡張距離、拡張手段、拡張力の面から量的
          に比較する。その上、二つの意味ネットワークの共通点と相違点から、<上>という概念を認知する際使われる共通の認知プロセスと各言語における個別性を分析する。


          第9回研究会

          • 日時:2010/10/23 13:30~17:00
          • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y307号室 
          • 司会:李在鎬(国際交流基金)
          • 発表者:
            • 第一発表者:木下藍子(国立国語研究所)
              • タイトル:日本語学習者における接続助詞の習得に関する研究-接続助詞「から」「けど」「し」の発達過程における「だ」の脱落・付加の誤用に着目して-
              • キーワード:接続助詞,誤用分析
              • 概要:学習者の発話コーパスをもとに接続助詞「から」における発達過程の仮説を明らかにします。そして、その仮説が同様の接続形式をもつ接続助詞「けど」「し」の習得においても、汎用性があるかを検証し、学習者独自の文法習得のメカニズムを探ります。
            • 第二発表者:大谷直輝(埼玉大学)
              • タイトル:前置詞underの文法機能とその認知的な基盤(仮)
              • キーワード:文法化、非対称性、意味拡張、身体性、類推、支配的意味
              • 概要:本研究では、仮定法の帰結節を導くunderの文法機能を(e.g. Under the agreement, most agricultural prices would be frozen or cut.)、overとunderの非対称的な意味拡張という観点から考察し、以下の点を明らかにする。① underの文法機能は空間的意味から支配的意味を通して派生している。② overとunderは共に支配的意味を持つが、これらは異なる空間的な意味から派生している。③ 経験世界での垂直軸に関する非対称性が、言語レベルの非対称的な意味拡張を動機づける。


          第8回研究会

          • 日時:2010/8/21 13:30~17:00
          • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y304号室(Y302号室からY304号に変更されました)
          • 司会:大谷直輝(埼玉大学)
          • 発表者:
            • 第一発表者:木山幸子(麗澤大学[院])
              • タイトル:自他両用の「-化する」における自動詞用法と他動詞用法の比較:新聞コーパスの用例に基づく多変量解析(名古屋大学・玉岡賀津雄先生との共同研究)
              • キーワード:「-化する」,自他両用,自他明確化
              • 概要:自他両用の「-化する」の自動詞用法と他動詞用法の現れ方について,新聞コーパスの用例を取り上げ多変量解析で検討します。まず,自動詞用法と他動詞用法,使役形接辞「-させる」と受身形接辞「-される」の分布について,階層的クラスタ分析,正準判別分析,一元配置の分散分析及び多重比較の結果に基づいて議論します。次に,「-化する」が文中で使われるとき,その意味が肯定的変化を表すか否定的変化を表すかに影響する要因を,決定木分析の結果に基づいて考察します。
            • 第二発表者:土屋智行(京都大学[院]//日本学術振興会特別研究員)
              • タイトル:日本語定型表現の分析にかかわる諸問題(仮)
              • キーワード:辞書記述,意味の構成性とゲシュタルト性,創造的言語使用と通時的拡張
              • 概要:本発表では,日本語の定型表現に関する辞書記述を網羅的に観察し,その形式的なパターンの特徴および意味的な特徴を分析する.定型表現には慣用句やことわざなどの下位カテゴリーがあるが,カテゴリーごとの形式的なパターンの特徴や,カテゴリー間の連続性が存在することを分析によって示す.同時に,特定のパターンに存在する意味的な局所性についても検討し,定型表現の通時的な拡張と定着の過程を創造的言語使用の観点から考察する.


          第7回研究会

          • 日時:2010/6/26 13:30~17:00
          • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパスY308号室
          • 司会:岡 智之(東京学芸大学)
          • 発表者:
            • 第一発表者:佐治伸郎(慶應義塾大学先端研究センター)
              • タイトル:異なる事態を跨いだ語意知識の獲得:L2語意習得における母語の影響を中心に
              • キーワード:第一言語獲得,第二言語習得,語意の再編成
              • 概要:語意獲得において複数の場面に対する語の使い分けがどの様に進むのかを,L1,L2獲得双方の観点から探ります。特に本発表では,L2学習者がこのような語の使い分けを学ぶ際,L1における語意知識の影響がどのように働くのかを調査します.
            • 第二発表者:有光奈美(東洋大学)
              • タイトル:強意語と完全性の関係:対比表現の意味変化
              • キーワード:対比、矛盾関係、反対関係、段階性、完全性
              • 概要:本発表では、dead/aliveのうち、deadに注目し、これが完全性を持つ強意語となるときの動機づけを提示する。さらに「完全性とは何か?」について、日本語の「丸~」を例に挙げながら、deadの完全性と照らし、論じる。

          • PDFポスター(http://jhlee.sakura.ne.jp/TLC201006.pdf)


          第6回研究会

          • 日時:2010/4/17 13:30~17:00
          • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス
          • 司会:李在鎬
          • 発表者:
            • 第一発表者:徐 蓮(お茶の水女子大学[院])
              • タイトル:反対概念の非対称性の普遍性と限界―日本語と中国語における〈上/下〉の非対称性を中心に―
              • キーワード:日中対照、対称、上、下、認知
              • 概要:本稿では、辞書とコーパスに基づき、日本語と中国語における静態意味素<上/下>を含めた表現を考察し、語彙構成と意味の面から非対称現象を量的に記述し、日中両言語の共通点と相違点をまとめる。そのうえ、非対称現象の認知的モチベーションを探り、通言語的な普遍性とその限界を検討する。
            • 第二発表者:三村修一郎(東京学芸大学[院])
              • タイトル:相づち「だよね」の方略から見た終助詞「よね」の性質について -異論や拒否反応に対して相づちを打つ場合を中心に-(仮)
              • キーワード:終助詞、相づち、よね、だよね
              • 概要:相づちとして用いられる「だよね」という表現が、どのような会話状況で、どのような事情に対応して機能しているかについて観察することにより、終助詞「よね」の性質についての考察を行います。


          第5回研究会

          • 日時:2010/2/20 13:30~17:00
          • 場所:山梨大学
          • 司会:仲本康一郎(山梨大学)
          • 発表者:
            • 第一発表者:ヤン・ジョンヨン(埼玉大学大学院生)
              • タイトル:定住外国人を対象とした「タスク積み上げ型シラバス」について
              • キーワード:タスク積み上げ型シラバス、脱文法シラバス、生活日本語、生活者として外国人、地域の日本語教育
              • 概要:近年、定住外国人(生活者としての外国人)の増加はめざましく、彼らの日本語教育・支援の場としての地域の日本語教室の役割も益々重要になってきています。このような状況で、地域日本語教育で求められているのは、いわゆる生活日本語ですが、この内容については現状では指針になるようなものがありません。本発表では、日常生活で遭遇する様々な課題(問題)を日本語によって解決する能力を伸ばすための新しいシラバスの考え方についてお話しします。具体的には、易しい課題を積み上げ、より複雑な課題を解決できる「タスク積み上げ型シラバス」についてお話しします。
            • 第二発表者:佐治伸郎(慶應義塾大学大学院生)
              • タイトル:異なる事態を跨いだ語意知識の獲得に関する研究
              • キーワード:第一言語獲得,第二言語習得,語意の再編成
              • 概要:語意の習得過程において複数の場面に対する語の使い分けがどの様に,何を手がかりにして進むのかを,母語習得,第二言語習得双方の観点から実験的に調査した結果を報告致します。


          第4回研究会

          • 日時:2009/12/12 13:30~17:00
          • 場所:埼玉大学
            • JR京浜東北線「北浦和駅」西口下車→バス「埼玉大学」ゆき(終点)
            • JR埼京線「南与野駅」下車→北入口バス停から「埼玉大学」ゆき(終点)→西口バス停から「志木駅東口」ゆき(「埼玉大学」下車)、「埼玉大学」ゆき(終点)
            • 東武東上線「志木駅」東口下車→バス「与野駅」ゆき(「埼玉大学」下車)*南与野駅からバスで約10分、北浦和駅からバスで約15分です。
          • 司会:大谷直輝
          • 発表者:
            • 第一発表者:高橋奈津美(京都大学大学院生)
              • タイトル:現代日本語における程度副詞と空間相対名詞の共起
              • キーワード:空間知、相対名詞、コーパス言語学
              • 概要:日本語のどのような程度副詞が空間名詞を修飾できるかをバランスドコーパスを用いて調査をして、共起できる副詞に制限があることと共起できるものの中でも2種類の解釈が生じることを報告します。
            • 第二発表者:今井澄子(東洋大学非常勤講師)
              • タイトル:Transitivization of the English Present Participle '-ing': Four Constructions Related to the Grammaticalization of the English Progressive Form
              • キーワード:英語進行形文法化、現在分詞、近代英語、名詞と動詞、他動性
              • 概要:OED3.1で受身的進行形に関する調査をして、現在分詞-ingの他動詞としてのふるまいが近代英語期に完成したことが分かったので、それを報告・考察します


          第3回 TLC研究会

          • 日時:2009/10/31 13:30~17:00
          • 場所:東洋大学
          • 発表者:
            • 第一:月本 洋(東京電機大学)
              • タイトル;日本語は論理的である
              • キーワード;日本語、比喩、古典論理、学校文法、小学校英語教育
            • 第一:内田 諭(東京大学[院])
              • タイトル;フレームに基づく英語の接続詞の意味記述:対応分析を使った試み
              • キーワード;フレーム意味論、FrameNet、接続詞、フレーム結合価、対応分析


          第2回 TLC研究会

          • 日時:2009/8/22 13:30~17:00
          • 場所:東京学芸大学(N棟)2F留学生センター
            • 第一:大谷直輝(埼玉大学 英語教育開発センター)
              • タイトル:The particles 'up' and 'out' as the aspectual markers: From a cognitive and discourse perspective
            • 第二:伊藤健人(群馬県立女子大学・文学部・国文学科)
              • タイトル:「意味役割とは何か」


          第1回 TLC研究会

          • 日時:2009/6/27
          • 場所:国際交流基金
          • 発表者:
            • 李在鎬(国際交流基金日本語試験センター)
              • タイトル:TLC設立に関する趣旨と運営方針について
            • 岡智之(東京学芸大学留学生センター)
              • タイトル:場所論と認知言語学

東京言語学コロキアム



トップページに戻る | 問い合わせ |